活動報告


支部報告 87


■関西支部野外セミナー・レポート 平成12年5月18日・19日
「北淡町震災記念公園」、「野島断層」の見学
 講師:兵庫県地学会顧問 植松 剛
 平成12年度技術・野外セミナーの第1日目は、北淡町震災記念公園で被災者の語りと、天然記念物「野島断層」についての講話を拝聴した。

◆被災者の実体験による語り
 「地震時には地響きのような音と縦揺れ横揺れ、倒壊した家屋からの脱出、亡くなった身内、地震により変わってしまった周辺の風景。呆然とした震災後の胸中。近隣の方々の親切や、震災後にお世話になったボランティアの方々により今の自分がある」と切々と語られた。
 このように後世に語り伝えていくことは地震そのものの恐ろしさを知ることと、人と人とのふれあいの大切さを知ることにつながると思った。


◆天然記念物「野島断層」
 阪神・淡路大震災は約20秒間の地震(実際には5秒-1秒-5秒の地震)であった。活断層は江崎灯台から野島川まで7km、断層面は410k・、活動は1000年に1度のもので、その変位量は1mである。震度7は、震度6までしかなかった福井地震のときに制定され、50年後に初めて使用された震度である。震源断層は、淡路島北東端付近の地下16kmから野島断層がまず破壊を起こし、北東−南西に破壊が伝わり、続いて六甲山南山麓の活断層が活動した。また、淡路島付近は明瞭な地表変位を表した地震断層で社会的にも注目された。
 震災記念館は野島断層沿いに細長く造られた建物で、保存のため風雪に耐えられるようになっており、一部は風化をみるために野外部分となっている。実際に野島断層上にあった民家もあり、ブロック塀の横ずれは見る者を圧倒するものがある。
 震災のシンボルとしての震災記念館、そして復興のシンボルとなる?「ジャパンフローラ2000」と震災からの月日の経過を考えさせられた研修であった。
(レポーター:(株)応用地学研究所 北 雅夫)

■関西支部野外セミナー・レポート 平成12年5月18日・19日
「淡路花博ジャパンフローラ2000」
 講師:(財)夢の架け橋記念事業協会副理事長 計盛 哲夫

◆「橋の科学館」の見学
 館内には、明石海峡大橋をはじめとする本州四国連絡橋が、実物模型等の展示や立体映像等で紹介されていた。私は知らなかったが、明石海峡大橋が世界一の吊り橋といわれるのは、橋長(3,911m)のことではなく、中央支間長(主塔〜主塔間、1,991m)のことであった。


◆「淡路夢舞台」での講演
 「淡路花博ジャパンフローラ2000の環境保全」について、計盛哲夫講師の講演を拝聴した。開催するための目的・意義、開催に至る経過の苦心談、新技術の導入等の興味深い話を聞き、また、参加者からも質問が多数出され、有意義な時間を共有した。 講演のなかで「大阪花博では、入場者は上を向いて歩いていたが、この淡路花博では逆に下を向いて歩いている」という計盛講師の言葉が強く印象に残った。


◆「淡路花博」の見学
 会場は夢舞台ゾーンの無料区域とにぎわいゾーン、フローラゾーンの有料区域に分かれている。体力的なものから考えると、まず夢舞台ゾーンにある世界のキク科植物を集めた100区画の花壇「百段苑」を見て、「プロムナードガーデン」を散策し、有料会場の全貌を眺望することをすすめる。この斜面の植栽には特殊技術が施され、土中水分が不足すると水分が補給される仕組みになっている。
 会場全体が花壇、ガーデン化しているため、パビリオンに入れなくても十分花を楽しむことはできた。
 最後に、これから淡路花博を訪れる方々へのアドバイスとして、「日除け・雨除け対策、弁当持参、見たい所の絞り込み」が必要である。
(レポーター:三洋テクノマリン(株)  安宅 政志)




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