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■ 東京都環境局/JEAS情報委員会 意見交換会レポート 平成16年5月11日 |
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「東京都環境局との環境影響評価に関する意見交換会について」 |
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●はじめに 東京都環境局と当協会との意見交換会は、東京都の要請により、都のアセス審査担当者と、協会会員会社で実務を行っているコンサルタントが率直に意見交換・議論を行う場として設けられたもので、今回が4回目となる。 今回は、東京都環境局から百合都市地球環境部長をはじめ15名、当協会からは17名が出席し、東京都側より示された1) アセス図書の改善について、2) 調査計画書および評価書案の審査結果について(平成15年度)、3) 電波障害・廃棄物・温室効果ガス等の予測手法の改善について、4) 「環境保全に関する計画等への配慮の内容」の充実について、5) 「評価」の記述について、の各テーマについて意見交換を行った。 (1)アセス図書の改善について 本テーマは東京都における今年度の重要課題の一つであり、わかりやすいアセス図書とするために、現行の評価書を基に構成内容を見直し、モデル図書およびアセス用語の解説書を作成する。また、事業者説明会を積極的に活用するため、事業者説明会資料についてもモデル資料を策定し、さらに、事業者HPでのアセス情報の公開による広報活動の活性化を図りたい。 協会側からは、これまでの経験・実績や他自治体での事例を交えて、次のような意見を述べた。
(2)調査計画書および評価書案の審査結果について(平成15年度) 平成15年度における、調査計画書(方法書)および評価書案(準備書)の審査結果について、具体事例に基づき説明があった。 ここ1〜2年の審査の動向として、技術指針に照らして不適切な事項に対する指摘や、計画の影響が重大なため、より一層、保全を求める観点からの指摘が多くなっている。 (3)電波障害・廃棄物・温室効果ガス等の予測手法の改善について 電波障害については、地上波デジタル放送に関する対応をする。廃棄物については、リサイクル率・低減率や他事業との比較による予測・評価手法の導入、事業計画における目標の数値化を検討しており、温室効果ガスについては、とくに高層建築物の新築事業における低減率の導入、建築物環境配慮制度の考え方の活用などを検討していきたい。 (4)「環境保全に関する計画等への配慮の内容」の充実について 現行で対象となっていないヒートアイランド、安全性(緊急時対応)、光害、交通(渋滞)、コミュニティなどに関する環境配慮については、事業者の環境保全に対する姿勢を示す意味からも、できる限り記述してほしい。 (5)「評価」の記述について 評価については、現行の寄与率や環境基準の適合性などによる評価だけでなく、住民に理解されるような記述方法を検討する。 ●おわりに 今回の意見交換会はテーマが多岐にわたり、終了予定時間を30分以上超過して活発な意見交換が行われた。このような機会は、行政側とアセス実務者との意識のギャップを埋めるとともに、環境アセスメント制度の充実やアセス実務者の技術の向上をはかるうえで非常に有益であると考える。 |
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(レポーター:(株)ポリテック・エイディディ 工藤俊哉) |
■ 第1回セミナー・レポート 平成16年7月27日 |
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「湖沼の環境のとらえ方」 | |
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講師:国土交通省河川局河川環境課 課長補佐 宮藤秀之 このセミナーは、「湖沼管理のための流動機構調査−より高度な湖沼管理に資するための調査に向けて−(平成15年3月湖沼技術研究会)」という報告書の概要を紹介する形で行われた。 宮藤氏は、まず湖沼の水質保全に関して、国土交通省は琵琶湖などの湖沼の流域対策に権限がないこと、湖沼の水質は、その実態が十分正確に把握されていないことについて話され、調査方法の見直しや管理の見直しが必要であることを説かれた。 環境基準が設定されて以来、長い年月が経つが、一向に湖沼の水質が改善されないことが最近盛んに話題になっているので、タイムリーな話題である。流域の汚濁負荷低減がなかなか進まず、ヨシ群落などの再生により、自浄能力を高める施策も行われているが、実態としての水質は一向に改善されない。ところが、この研究成果によると、湖沼にはそれぞれ特有の「流動特性」があるということが明らかなり、その特性に応じた管理を実施することにより、水質問題を解決することができる見通しがみえてきたというのである。 流域からの汚濁流入で青潮の発生に困っている、北海道の汽水湖である網走湖では、富栄養化し貧酸素状態の塩水塊が成層を成して、湖の下の方に沈んでいる。しかし、風が湖の流出口に向かって吹くと、この貧酸素水塊が流出口付近で上昇して水面近くに上がり、青潮が発生する「流動特性」をもっている。これを、超音波を用いたドップラー流速計というハイテク機器を用いて観測し明らかにした。この流動特性をコントロールできれば、青潮を抑制できる可能性があるということである。 このことは、これまで青潮の被害などの軽減といえば、流域の汚濁負荷の減少や浚渫、あるいは自浄能力の改善しか思い浮かばなかった筆者にとって驚きであった。今回の研修により、各湖沼で流動特性の調査を進め、特性に応じた管理のグランドデザインを行うことで、うまく湖沼と付き合うことができるという新しい可能性がみえてきた。 |
(レポーター:(株)地域環境計画 逸見一郎) |
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