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講師:
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環境省総合環境政策局環境計画課 計画政策第一係長 斎藤 雄一
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著しい公害を第一の環境の危機とすると、現在は、地球温暖化、廃棄物問題等による第二の新たな環境の危機に直面している。生産方式の見直しなどの対症療法によって改善できる第一の危機とは異なり、第二の危機は大量生産、大量消費、大量廃棄という社会のあり方そのものを変えない限り解決できない。このため平成12年12月に改定された「環境基本計画」は、これまでの社会のあり方を見直し、持続可能な社会の構築のために、環境面からの戦略を示し、21世紀初頭における環境政策の基本的な方向と、取り組みの枠組みを明らかにしている。
新しい環境基本計画は4部構成となっている。第1部は環境の現状と課題、第2部では課題に対する施策展開の基本的な方向を示している。第3部として施策展開の基本的な方向を踏まえて具体的な施策を示し、第4部では示された施策を効果的に実施していくための推進体制や進捗状況の点検方法が示されている。
環境基本計画の改定にあたり「理念から実行への展開」および「計画の実効性の確保」の二つの特徴があげられる。まず理念から実行への展開として、5〜10年の間に前進をはかる必要性が高い地球温暖化や循環型社会等の11の分野を取り上げている。それぞれについて、現状と課題、施策の基本的方向および重点的取り組み事項について、ストーリー性を持った戦略的プログラムとして、国や地方自治体を含めた各主体の取り組みが示されている。もう一つの特徴である計画の実効性の確保は、各府省が環境配慮方針の策定や環境管理システムの導入により計画の推進を行い、あわせて進捗状況の点検の強化も行うとしている。
新環境基本計画の策定により、国および地方自治体等において各種関連法令や環境保全計画が整備されはじめている。今後のコンサルティングに生かすためにも、関連情報の収集、整理の必要性について強く感じるところがあった。
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