■海外ワークショップ・レポート 平成13年7月30日〜8月3日
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Workshop on Environmental Impact Assessment (EIA)
and Green Productivity (GP), Fiji に参加して
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環境省の紹介で、フィジーで開催されたアジア生産性機構(APO:Asian Productivity Organization)主催の「環境アセスメントと緑の生産性に関するワークショップ」に参加する機会を得た。APOは、政府間協定により設立された国際機関で、加盟18か国・地域が相互協力を基本精神として、アジア太平洋地域における社会経済発展のため、生産性向上に関する諸活動を行っている。その活動の一つに緑の生産性(GP)がある。このGP計画は、1992年のリオ地球環境サミットで提唱された、「開発と環境の持続可能な発展」を具体化するために、総合的な社会経済発展をめざして生産性向上と環境改善活動を両立させるための戦略である。
今回のワークショップでは、GPに則した環境アセスメント(EIA)についての講義と、参加者によるEIAのケーススタディのグループ討議が5日間(7月30日〜8月3日)にわたって行われた。参加者は、マレーシア、インドネシア、タイ、韓国、台湾、フィジー等のアジア14か国・地域の合計25名。政府の環境担当官、建設企画部門の担当官や環境コンサルタント、建設設計者などさまざまであった。日本からは、私と日本工営(株)神下高弘氏、三井共同建設コンサルタント(株)岡本憲一氏のJEAS会員3名が参加した。
講義内容は、GPとEIAの概論から始まり、EIAのスコーピング、予測、評価およびモニタリング手法等のほかに、環境コスト、環境リスクの分析方法について、さまざまな具体例を交えながらの講義を受けた。ケーススタディでは、フィジーに建設予定のリゾートホテルについて、具体的計画内容が明示され、4つのグループに分かれて討議した。講義を踏まえて、建設・供用および閉鎖時のそれぞれについて、環境や社会に影響のある項目をあげて、モニタリング手法と事業の改善点について検討した。
環境の保全を前提として生産施設の維持、改良を行い、持続可能な発展を行うGPの概念とEIAの組み合わせの講義を受講したことにより、新たなコンサルティングの可能性を感じた。
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(レポーター:東電環境エンジニアリング(株) 藤山幸作)
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