故 名誉会長牧野昇先生のご逝去を悼む
本年3月2日、協会名誉会長牧野昇先生がご逝去されました。
先生は、時代のニーズを先取りし、環境アセスメントの必要性を各方面に呼びかけ協会を設立、初代会長として運営に尽力された。
私は、勤務先の会社が協会設立時からの会員であり、1年後理事に登用されたため、長い間、先生の謦咳に接し、多大の薫陶を受ける幸いに恵まれた。
先生は、協会運営面で、常に事務局費と活動費のバランスに注意されるとともに内部留保に努められ、財務基盤を確立された。この方針は、一貫して現在も受け継がれている。
三菱総研の先生の部屋を訪れると、壁面がすべて書棚で埋められていた。ディクテーション方式で、次々とたくさんの著作を出版されたことは、周知のとおりである。
先生のネームバリューのお陰で、設立当初から任意団体にも拘わらず、新年会・総会後の懇親会には環境大臣(当時長官)が出席され、このため、各省庁のトップクラスが列席される現在の状態が出来上がった。
圧巻は、先生のご挨拶で、産業界の将来を予測する先見性に富んだお話は、参加者の心を引きつけて止まないものがあり、これを目当てに来賓の数は増えていった。
一度、お話の途中で、大臣のご到着が遅れるので「もう少し長く」の掲示をお見せすると、直ちに呼応される臨機応変な思いやりもお持ちであった。
軽妙・洒脱にして重厚、誰でもその魅力の虜にされるお人柄であった。正に巨星落つ、痛恨の極みである。ご冥福を祈ること切なり。合掌。(元会長 津田
宏)
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